【4/1レポ】YOGA for Respiration~呼吸が広がるメカニズムとヨガ~

4月のメディカルサポートヨガ™北海道minaminaのミニ講座+ヨガ YOGA for Respiration~呼吸が広がるメカニズムとヨガ~のレポートです。

oukakumakuミニ講座では、小児訪問リハビリにて、呼吸に苦しむ子どもたちと家族の支援に尽力している経緯から、3学会合同呼吸療法認定士を取得し、新人セラピストや看護師など医療従事者の研修講師なども担っている 札幌西円山病院 理学療法士の塚本 真人氏をお迎えいたしました。

 

 

 

そもそも呼吸の目的のひとつは、酸素を体内に取り込み、身体の隅々にある細胞にまで酸素を供給し、細胞で産出される二酸化炭素を体外へ排出し、体液のph(酸性かアルカリ性かの度合い)を正常に保つ働きをすることですが、通常、その呼吸運動は、胸のまわりにある筋肉(呼吸筋)の働きによって、無意識的に行われています。

また、呼吸器である肺を入れる箱「胸郭」とは、肋骨、脊柱、ならびに胸骨よりなる骨性胸郭とそれに付着する筋肉よりなっています。
今回の講座では、吸気と呼気で使われる筋肉が違うことや呼吸の種類によって、脳の活動する場所が変わってくることなども大変興味深い内容でした。

 

呼吸で使われる筋肉についても、呼吸の種類によって以下のように違います。

①安静時呼吸に使われる呼吸筋
【吸気】横隔膜、外肋間筋など
②深呼吸時に使われる呼吸補助筋
【吸気】斜角筋、胸鎖乳突筋、肋骨挙筋、脊柱起立筋群
③努力呼吸時に使われる呼吸補助筋
【吸気】肩甲挙筋、僧帽筋、菱形筋、小胸筋、大胸筋、前鋸筋
【呼気】内肋間筋、腰方形筋、下後鋸筋、腹筋

 

ヨガに関わっていると、普段から意識して働かせる、または緩ませているお馴染みの筋肉ですね。
さらに、安静時呼吸の吸気は、横隔膜と外肋間筋の主収縮により行われ、呼吸量の7~8割を横隔膜の収縮で、残りは外肋間筋の収縮が関与していることを考えると、
いかに、横隔膜の働きが大切で、肋骨と肋骨の間の筋肉が柔軟で弾力性があることが大切になってくるか!なので、これもヨガをしていると自然に出来てしまっていることだなぁ~と感じました。

 

また、健常者の場合、安静時の呼吸運動に必要な1日のエネルギー消費量は150Kcal位なのに対し、
呼吸器疾患で呼吸数が2倍になると、必要エネルギー量は4倍の600Kcal程度となる場合もあります。
呼吸不全の方は、呼吸困難によって、常に呼吸補助筋が動員された状況になっており、過緊張状態になりがち・・・。
特に、首回りの筋肉に影響しますので、呼吸器疾患のある方に対しても、ヨガやストレッチなど、不必要な力を抜く術を知っておくと強い味方になってくれるはずです。

 

呼吸と心についての関係性もまた興味深いです。

「息」とは自らの心と書くとはよく言われていますが、呼吸に関連し、3つの脳内部位の関わる場所も変わってくるそうです。
・生きるための呼吸・・・延髄
・意思によって変化させる呼吸・・・前頭葉・運動野
・情動による呼吸・・・辺縁系
悲しみや怒り、不安などのネガティブな情動にかられているときの呼吸と心が安定しているときの呼吸や呼吸による身体の変化をすでに感じていられる方も多いと思います。

 

心の状態で呼吸が変わるのであれば、
呼吸のリズムを変えて、心を良い方向へ引っ張っていくことも可能です!

 

講座の内容は、普段からヨガで実践していることを改めて解剖学的に脳科学的な方向からの学びとなり、わたしたちヨガ講師も勉強になりました。

また、合間に、5つの【呼吸クイズ】を行い、場も盛り上がりました。
situmon

 

 

 

 

 

 

ここから、minaminaメンバー吉澤 真弓によるヨガの部スタートです。

 

上記の講座の内容を踏まえ、まずは首、肩など過緊張しやすい部位をゆるめること、胸郭と横隔膜の関係性を意識しながら内側のスペースを広げていくことをポイントに、呼吸で使われる筋肉それぞれにアプローチしていきます。

前半は、呼吸を整える準備運動、または、呼吸筋を柔らかくするウォーミングアップ、ゆっくりとした動きと呼吸で、前半の講座で学んだ知識を身体にゆっくり落とし込んでいくような時間でした。

そして、もうひとつ、呼吸にとっては大切な筋肉があります。
それは、足の筋肉です。
足の筋力が低下すると、上体を支えることが難しくなり、上体が固まってしまい、その姿勢の悪さから、呼吸困難につながっていくのです。

良好な呼吸を保つためには、普段から足の筋肉を鍛えておくことも必要ということになります。

ヨガが初めての方や治療中の方から、ヨガを普段から実践されている方まで、今回ご参加者の体力やヨガの経験の幅が広かったのですが、
普段から精神科でヨガクラスをし、ハンディキャップヨガのメンバーでもある吉澤のイスを使った誘導は、
無理なく、でも、しっかりと効かせる内容でした。

 

最後は、仰向けで、さらに、呼吸のしやすさを実感していただきました。
アンケートの中で、「 シャヴァーサナの時、窓から隣のビルの明かりが新鮮でした。 」とご感想をいただいたように、
会場の雰囲気もリラックスを後押ししてくれるようなステキな空間でした。

講師の塚本さん、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

 

 

次回は、以下の講座です。
すでにお申込みをいただいておりますので、ご予約される方は以下からお申込み願います。

5月13日(土)のminamina講座は、

【Yoga for Good Quality Sleep~1日は睡眠から始まる~】です。

日 時 2017年5月13日(土)19:00〜20:30
料 金 お1人様2000円(税別)※当日現金での支払いになります。お釣りのないようにご協力ください。
定 員 15人(要予約)
持ち物 バスタオル、フェイスタオル、飲み物 ※ヨガマットはスタジオにあります。
場 所 エルプラザ 3F音楽スタジオ ※変更になる場合があります。
(札幌市北区北8条西3丁目3F ※JR札幌駅北口より徒歩3分(札幌駅北口地下歩道12番出口))

申し込み先:minayoga3737@gmail.com

件名「5/13クラス申込」
①お名前
②お電話番号
③職業
④複数お申込みの場合、同伴の方の氏名
⑤ご本人の参加か、ご家族やご友人などに症状をお持ちの方がいる方の参加かどうか
通院中や服薬中であればお知らせください。治療を受けていない場合でも、どのような症状にお悩みか差支えのない範囲でお知らせください。
身体を動かすことに心配なことがあればお知らせください。
をメールに明記。2日以内に返信いたしますので、Gmailからの受信が可能な設定かご確認をお願いします。定員を超えた場合は、キャンセル待ちとなりますので、あらかじめご了承ください。(キャンセルポリシー:前日キャンセル50%、当日キャンセル100%)

申し込み先:minayoga3737@gmail.com

こちらの申し込みフォームからのご予約もできます。

題名「5/13クラス申込」
必須事項に加えて、メッセージ本文に、
①職業
②複数お申し込みの場合、同伴の方の氏名
③ご本人の参加か、ご家族やご友人などに症状をお持ちの方がいる方の参加かどうか
通院中や服薬中であればお知らせください。治療を受けていない場合でも、どのような症状にお悩みか差支えのない範囲でお知らせください。
④身体を動かすことに心配なことがあればお知らせください。

を明記してください。
minayoga3737@gmail.comより返信いたしますので、Gmailからの受信ができるようにご確認ください。

 

※この度は、ヨガ指導者の方々にも興味を持っていただき、誠にありがとうございます。
こちらのminaminaクラスは当事者、家族などを対象としています。

今後、ヨガ指導者向け、医療従事者向けの講座を開催する予定です。
その際には、また改めてご案内いたしますので、何卒、ご理解のほどよろしくお願いいたします。