minaminaのサポーターとしてご協力いただくことになりました、
札幌医科大学附属病院 リハビリテーション科 医師:土岐めぐみ先生へのインタビューです。

minamina:Q1.
様々な病気や症状を抱えながら、自分でも何か出来ることをしようと思った時に、
どんな風に運動を取り入れたらいいでしょうか?

例えば、がんの患者さんだったら、術後や治療中も運動をすすめられても
なかなかできない患者さんも多いと聞きますが・・・


toki:A1.
今、病院では、たとえばがんの相当きつい状態の人でもいわゆる「がんリハビリテーション」をやっています。逆にそういうダメージの大きい治療の人ほど、治療前から取り組んでいます。

また、心不全や呼吸不全など、運動なんてとても、というような人こそ、リハビリをやっており、様々なエビデンスがでて、場合によっては薬よりいい成績も出しています。

もし今治療中で病院に入院や通院をしている方であれば、最初は主治医の先生や病院内のリハビリの専門家に相談してみてください。
私自身は、どうしても運動をする気になれない体調の患者さんは、深呼吸だけでもするようにすすめています。

また、外来の方には、自分でするウォーキングや体操などのほかに、健康づくりセンターの利用や、介護保険のサービスなどもすすめています。

minamina:Q2.
先生自身がヨガをやっている経験から治療中や病気の回復期、あるいはリハビリ中の方にとってもヨガは良いと思いますか?
また、なぜ?


 

 toki:A2.
リハビリの専門家とリハビリを行うのはいい治療ですが、十分な長い時間をとれるわけではありません。
毎日短時間でも運動することがポイントです。
ただ、一人で運動するのは、私自身もなかなかできません。
ヨガに限らず、仲間と一緒にやれるような機会があれば、運動も長続きすると思います。

ヨガのいいところは、自分なりにアレンジできる個人競技のような運動のところだと思います。
先生が、無理をしないように、「つらい時はこういう方法でやってみてください」とやり方を提案してくださるのが、気が楽ですし、挫折感もなくて楽しめます

ヨガでただ立つポーズというのがあると思います。
整形外科の手術後の患者さんなど、身体の左右のバランスが崩れている方には、よく「ただまっすぐ立つ練習をしてください」とアドバイスすることがあります。どんな風に立ったらいいかは、私のヨガの先生のセリフをそっくりまねさせてもらっています。

また、病気とつきあっている方でストレスのない人はいないと思います。
大抵、体中がかたくなっていますので、リハビリでもリラクゼーションをしてもらうのですが、
その時に呼吸も一緒にとりいれるよう、ヨガのエッセンスをまねして説明しています。

病院のリハビリを卒業して、または並行してヨガをとりいれることは、一つの選択肢としておすすめしたいです。

minamina:Q3.
日本では、がんなどにおけるヨガの効果についてはあまり知られていませんが、
患者さんだけでなく、医師や看護師などの医療従事者に効果を感じてもらう可能性についてどう思いますか?


 toki:A3.
私も知らなかったのですが、厚生労働省が「統合医療」に係る情報発信等推進事業というのを行っています。「統合医療」情報発信サイトというHPもあります。(サイト→
そのなかで、「漢方、鍼灸、あんま・マッサージ・指圧」とならんで「ヨガ」が特にエビデンスレポートとしてまとめられています。
今後は、一般の人やアスリートに広まっているように、医療関係者にも広まっていく可能性があると思います。
なかには、こういったものが嫌いな医療者がいることは確かなのですが、それでもなくならずに支持されているという事は、それだけ信頼や実績があるからだと思います。

厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトへ


札幌医科大学附属病院 リハビリテーション科 医師:土岐めぐみ先生1-DSCF4061

札幌医科大学医学部リハビリテーション医学講座 助教
専門分野は、脳血管障害他、小児リハビリテーション、嚥下障害、リンパ浮腫、ポリオなどの担当。
プライベートでは、セルフケアにヨガを取り入れている。
minamina講座 リンパ浮腫講座とヨガクラスの講師担当